【施行開始】川口市資材の適正な屋外保管に関する条例~令和7年10月1日~何が変わる⁉~
前回に引き続き「川口市資材の適正な屋外保管に関する条例」についてです。
川口市では、市民の生活の安全確保および生活環境の保全を図るため、現行の制度を抜本的に見直し、令和7年10月1日より「川口市資材の適正な屋外保管に関する条例」を施行しました。
この改正は、従来の規制では対応しきれなかった課題を解決するための大規模な規制強化であり、特に既存の資材置場事業者様にとっては、事業継続のために遵守すべき事項が明確に義務付けられています。
1. 旧条例からの主な見直し点(規制の包括的強化)
この新しい条例は、従来の「川口市資材置場の設置等の規制に関する条例」(旧条例)における課題を解決し、既に設置された資材置場や小規模な資材置場を含めた包括的な規制とするために導入されました。
見直しの概要は以下の通りです。
見直し項目 | 旧条例(令和7年9月30日以前) | 新条例(令和7年10月1日施行) | 根拠となる主な条項 |
規制対象面積の範囲 | 500平方メートル以上 | 100平方メートル超へ引下げ | 条例第9条第1項(1) |
既存資材置場への規制 | 許可対象ではなく、市の情報把握や管理者への強い権限が不足 | 既存資材置場に対する許可制を創設(届出により「みなし許可」) | 条例附則第6項、第7項 |
許可の更新制 | (規定なし) | 5年の更新制を設ける | 条例第9条第4項 |
罰則の強化 | 30万円以下の罰金 | 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金へ引上げ | 条例第26条 |
不適正な事業者の排除 | (規定不十分) | 一定の欠格要件を設ける | 条例第10条第1項第2号 |
住民周知手続き | 不十分なケースが存在 | 新規設置時の住民への周知手続を義務化 | 条例第7条 |
苦情対応窓口の義務化 | (規定不十分) | 既存資材置場を含め、苦情等の相談窓口の設置を義務化 | 条例第17条第6号 |
特に注目すべき規制強化点
新しい条例では、特に以下の点について基準が強化されました。
1. 実効性の確保(罰則の引き上げ): 無許可行為や命令違反に対する罰則が、「30万円以下の罰金」から「1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」へと大幅に引き上げ
2. 大規模資材置場(500㎡以上)の基準強化: 面積が500平方メートル以上の資材置場については、立地基準において、幅員4メートル以上の公道への接道を義務付け、構造基準において、区域の境界と囲いとの間に2メートル以上の空地確保を義務付け
3. 保管基準の既存置場への適用: 許可基準が立地基準、構造基準、保管基準に分類され、既存の資材置場に対しても保管基準の適用を義務付け。
2. 既存事業者が取るべき整理・対応
令和7年9月30日以前から屋外保管を行っている事業者様(従前の資材置場事業者)は、事業を継続するために、次の2つの対応を迅速に進める必要があります。
(1) 届出(みなし許可手続き)の実施
従前の資材置場事業者は、新しい条例が施行された令和7年10月1日から、令和8年3月31日までの6か月間の期間内に、市長に届出を行わなければなりません。
• 届出期間: 令和7年10月1日~令和8年3月31日。
• 重要性: この届出を行うことで、その資材置場は施行日(令和7年10月1日)に許可を受けたものとみなされます(みなし許可)。期限内に届出を行わない場合、屋外保管は無許可とみなされる可能性があります。
(2) 令和8年3月31日までの保管基準への適合
既存の資材置場事業者は、届出期間と同じく、令和8年3月31日までに、資材置場を新しい条例の「保管基準」に適合させる必要があります。
新しい条例の保管基準(条例第17条)は、既存資材置場にも適用されますが、立地基準(第11条)や構造基準の維持(第17条第1号)の規定は適用されません。
事業場を整理する際に特に確認すべき保管基準は以下の通りです。
整理・確認事項 | 基準の概要 | 具体的な対応例 | 根拠となる主な条項 |
視認性の確保 | 区域の外部から資材置場の管理状況を確認できる措置を講じる。 | 囲いの一部にスリットや網状フェンス、透明なアクリル板等を使用する。 | 条例第17条第2号ウ |
掲示板の設置 | 区域の外部から見やすい箇所に、資材置場である旨や必要な事項を表示した掲示板を設置する。 | 様式第19号に基づき、氏名・所在地・保管資材の種類・苦情相談先などを記載した縦横60cm以上の標識を設置する。 | 条例第17条第2号イ |
資材の崩落・飛散防止 | 容器を用いずに保管する場合、積み上げられた資材の高さが規則で定める高さを超えないようにする。飛散防止措置(散水、覆いなど)を講じる。 | 資材の高さ制限(周囲の囲いの構造に応じて高さ5m以下など、規則に基づく高さ)を遵守する。粉じんが発生する場合は散水やカバーを行う。 | 条例第17条第3号 |
火災予防措置 | 資材とその他の物を混合させず区分して保管し、1の保管単位の面積を200㎡以下、隣接する単位の間隔を2m以上とする。 | 資材の種類ごとに200㎡を超えないよう区画を分け、2m以上の離隔距離を確保する。 | 条例第17条第4号 |
騒音・振動対策 | 騒音や振動により生活環境の保全上支障が生じないよう措置を講じる。 | 作業時間を社会通念上適当な時間帯(早朝・深夜を避ける等)に計画する。 | 条例第17条第5号 |
苦情相談窓口 | 苦情等の相談に適切に対応できる者を資材置場ごとに選任する。 | 現場責任者や担当者を定め、掲示板に氏名と連絡先を明記する。 | 条例第17条第6号 |
弊所でのサポート内容
当事務所では、川口市条例に特化したサポートをご用意しています。
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- ✅ 初回30分無料相談(対象かどうかの確認から可能)
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