【既存事業者向け】群馬県ヤード条例|みなし許可で提出する標準作業書の作成ポイント
群馬県の再生資源物屋外保管業について、既存事業者がみなし許可の届出を行う際には、「標準作業書」の提出が必要です。
この記事は、令和8年9月30日以前から群馬県内で再生資源物屋外保管業を行っており、みなし許可の届出を予定している既存事業者様を対象としています。
群馬県のホームページでは、標準作業書の様式とあわせて記載例も公開されています。
県の記載例には、再生資源物の受取、保管、破砕等、引渡しといった作業の流れから、油水分離装置の管理、火災対策、騒音・振動対策、廃棄物の処理など、幅広い内容が記載されています。
一方、施行規則で標準作業書の記載事項として定められている内容と、県が公表している記載例の内容は、必ずしも同じ範囲ではありません。
そのため、県の記載例をそのまま転記するのではなく、施行規則で求められている事項を確認したうえで、実際の事業場の作業内容や設備に合わせて作成することが重要です。
今回は、群馬県の施行規則と標準作業書の記載例をもとに、みなし許可の届出に向けて標準作業書を作成する際のポイントを整理します。
標準作業書は、みなし許可の届出に必要な添付書類
令和8年9月30日以前から再生資源物屋外保管業を行っていた事業者が、令和8年10月1日以降も引き続き県内で事業を行う場合には、令和9年3月31日までにみなし許可の届出が必要です。
群馬県が公開している届出書類では、標準作業書は「添付書類10」として位置づけられています。
ただし、標準作業書だけを作成すればよいわけではありません。
みなし許可の届出では、事業計画の概要を記載した書類、事業場の図面、適合状況チェックシートなど、複数の書類をあわせて準備します。
みなし許可の届出に必要な書類については、前回の記事【既存事業者向け】「群馬県ヤード条例|みなし許可の届出に必要な書類」で詳しく紹介しています。
前回の記事で取り上げた保管高さ、囲い、底面、排水設備など、実際の事業場の状態とも関係してくる書類です。
施行規則で定められている標準作業書の記載事項
群馬県の施行規則では、標準作業書に記載する事項が定められています。
主な内容は次のとおりです。
・再生資源物屋外保管事業場の維持に関する計画
・油水分離装置及びこれに接続する排水溝の管理方法
・電池、潤滑油その他の火災の発生又は延焼のおそれがあるものの回収及び処理方法
・屋外保管等に伴う汚水や油の飛散、流出、地下への浸透及び悪臭の発散を防止する方法
・騒音又は振動による生活環境への支障を防止する方法
・ねずみの生息や蚊、はえその他の害虫の発生を防止する方法
・事業に伴って生じる廃棄物の処理方法
・その他知事が定める事項
標準作業書という名称から「スクラップをどのように受け入れ、保管するかという作業手順を書く書類」をイメージするかもしれません。
しかし施行規則を見ると、事業場の維持管理や生活環境の保全に関する事項が多く含まれていることが分かります。
県の記載例と施行規則の記載事項は、範囲が同じではない
標準作業書を作成する際に確認しておきたいのが、施行規則と県の記載例との関係です。
群馬県が公開している標準作業書の記載例には、施行規則に列挙された事項に加えて、
・受取から引渡しまでの作業の流れ
・受取時の確認方法
・保管作業の方法
・破砕等を行う場合の作業方法
・作業全般に関する事項
・従業者への教育
・事故等が発生した場合の対応
なども掲載されています。
これらすべてが、施行規則に独立した記載事項として列挙されているわけではありません。
一方、施行規則には「その他知事が定める事項」という規定があります。
現時点では、県の記載例に追加されている各項目と「その他知事が定める事項」との関係について、この記事では断定しません。
したがって、
「施行規則に個別の記載がないから削除してよい」
あるいは反対に、
「県の記載例にあるから、その内容をすべてそのまま記載しなければならない」
と判断するのではなく、施行規則と県の記載例をそれぞれ確認しながら作成する必要があります。
県の記載例をそのまま転記しない
群馬県が公開している標準作業書の記載例は、実際の書類を作成するうえで参考になります。
ただし、ヤードによって実際の作業内容や設備は異なります。たとえば、
・取り扱っている再生資源物
・受入れ時の確認方法
・使用する重機や設備
・破砕、切断、圧縮等の有無
・保管方法
・底面の構造
・排水溝や油水分離装置の状況
・火災、騒音、振動等への対策
などは、すべての事業場で同じではありません。
県の記載例にある文章をそのまま使用すると、標準作業書に記載した作業と、実際のヤードで行っている作業が一致しないことも考えられます。
記載例に合わせて現場を説明するのではなく、まず現在の事業場で行っている作業や設備の状況を確認し、その内容を標準作業書へ反映していく必要があります。
「記載例にあるから書く」だけでは判断できない項目もある
県の記載例には、作業方法だけでなく、点検方法や従業者教育、事故発生時の対応などについても具体的な内容が示されています。
ここで、記載例の文章をそのまま自社の標準作業書へ入れるのであれば、実際にその内容で運用しているのか、または今後その内容で運用するのかも確認する必要があります。
反対に、「うちではこの作業をしていないから、この部分は削除しよう」
と考えた場合にも、その項目が施行規則や他の基準等とどのように関係しているかを確認してから判断した方がよいでしょう。
標準作業書は、県の記載例の会社名や設備名だけを書き換えて完成させる書類ではありません。
現在の事業場の運用を確認しながら作成することが基本になります。
標準作業書と他の届出書類との整合性
標準作業書だけを単独で作成すると、他の届出書類との内容に食い違いが生じることがあります。たとえば、
事業計画に記載した作業内容と、標準作業書に記載した作業方法が一致しているか。
図面に記載した保管場所や設備と、標準作業書の内容が一致しているか。
適合状況チェックシートで改善予定としている設備について、標準作業書ではどのように整理するのか。
こうした点も確認していく必要があります。
群馬県は、みなし許可の届出後、県と市町村が合同で現地調査を行い、事業者の立会いのもと事業について説明を求めるとしています。
また、届出書の内容が現地と合致していない場合には、届出書の補正が必要になると案内しています。
そのため、書類上の記載だけを整えるのではなく、届出書類と実際の事業場の状態・運用を一致させることが重要になります。
標準作業書を作成する前に、現在のヤードを確認する
群馬県では、標準作業書についてWord形式の様式とPDFの記載例を公開しています。
そのため、記載例を開き、上から順番に文章を書き換えていく方法でも作成できそうに見えます。
しかし、その前に現在の事業場について、
何を取り扱っているのか。
どのような作業を行っているのか。
どのような重機・設備を使用しているのか。
どこで、どのように保管しているのか。
汚水や油をどのように管理しているのか。
火災、騒音、振動等に対してどのような措置を行っているのか。
といった実態を整理しておく必要があります。
特に、県の記載例と現在の作業方法が異なる場合や、「この項目は自社にも必要なのか」と判断に迷う場合には、記載例だけから判断しないことが重要です。
標準作業書は、みなし許可の届出書類の中でも、事業場ごとの作業内容や設備の違いが表れやすい書類です。
群馬県ヤード条例・みなし許可届出サポート
ほりぐち行政書士事務所では、群馬県の再生資源物屋外保管業に関する既存事業者様のみなし許可届出をサポートしています。
標準作業書のほか、事業計画、図面、適合状況チェックシートなど、みなし許可の届出に必要となる書類の作成・確認に対応しています。
「県の記載例と実際の作業が違う」
「自社の場合、どこまで記載すればよいか判断できない」
「書類を作る前に、現在のヤードの状態を確認してほしい」 といった場合もご相談ください。
みなし許可の届出期間は、
令和8年10月1日から令和9年3月31日までです。 群馬県公式サイト
オンライン相談(現地訪問なし):30分無料

次回は、みなし許可の届出後に行われる現地調査について
みなし許可は、届出書類を提出して終わりではありません。
群馬県は、届出後に県と市町村による合同の現地調査を行うとしています。
現地調査では事業者が立ち会い、事業について説明することが求められ、届出書の内容が現地と合致していない場合には補正が必要です。群馬県公式サイト
次回は、群馬県が公表している手引き等をもとに、届出後の現地調査と、調査前に確認しておきたい事項を整理します。
参考資料
本記事は、群馬県が公表している条例、施行規則、手引き及び各種様式・記載例をもとに作成しています。
・群馬県再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例
・群馬県再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例施行規則
・許可申請等の手引き(既存事業者用)
・添付書類10「標準作業書」様式
・添付書類10「標準作業書」記載例
群馬県「群馬県再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例」公式ページ
※本記事は令和8年10月1日時点で群馬県が公表している資料をもとに作成しています。今後、県から新たな資料や運用が示された場合には、内容を更新することがあります。

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