【既存事業者向け】群馬県ヤード条例Q&A|許可・届出の対象になる?判断に迷う6つの疑問
令和8年10月1日から、群馬県の「再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例」が施行されました。
条例施行前から再生資源物屋外保管業を営んでいる事業者は、一定の要件を満たし、令和9年3月31日までに届出を行うことで、みなし許可の対象となります。
一方で、実際の事業内容によっては、自社が条例の対象になるのか判断に迷う場合もあるのではないでしょうか。
例えば、次のようなケースです。
- 産業廃棄物処理業の許可を持っている
- 敷地が複数に分かれている
- 屋内と屋外の両方でスクラップを保管している
- 中古品や解体した部品を取り扱っている
- 有害使用済機器や特定金属くず買受業の届出を済ませている
群馬県では、こうした疑問に対する回答をQ&A集として公表しています。
今回は、県の公式Q&A(令和8年9月4日版)から、既存事業者が許可・届出の対象を判断する際に確認しておきたい6つの疑問を取り上げます。
1.産業廃棄物処理業の許可があれば、群馬県ヤード条例の許可は不要?
産業廃棄物処理業の許可を持っていても、すべての屋外保管が条例の対象外になるわけではありません。
群馬県のQ&A(No.1-4・No.1-21)では、廃棄物処理法など、条例で定める関係法令の許可を受け、その許可の事業範囲と同等の行為を行う場合には、条例の適用が除外されると説明されています。
ただし、許可された事業の範囲外で再生資源物を保管する場合は、条例の対象となる可能性があります。
例えば、産業廃棄物収集運搬業の許可については、次のように整理されています。
積替え保管なしの許可の場合
積替え保管を含まない収集運搬業の許可を持つ事業者が、再生資源物の屋外保管を行う場合は、条例の対象となります。
積替え保管ありの許可の場合
許可された事業範囲と同等のものを取り扱う場合に限り、条例の適用が除外されます。
したがって、産業廃棄物処理業の許可証を持っているという理由だけで、今回の届出が不要と判断することはできません。
取扱品目や保管場所、許可内容と実際の事業内容が一致しているかを確認することが重要です。
参考:群馬県Q&A No.1-4・No.1-21、条例第24条第2号
2.敷地を分割していれば、それぞれ100㎡以下として扱われる?
敷地面積は、登記上の区画ではなく、実際の利用状況に基づいて判断されます。
群馬県のQ&A(No.1-9)では、敷地が分割されていても、搬出入や管理体制、車両の動線などが共通しており、実態として一体的に運用されている場合には、面積を合算して判断するとされています。
例えば、隣接する2つの敷地をそれぞれ別の区画として管理していても、同じ事業場として一体的に使用している場合は、合計面積が判断の対象となる可能性があります。
また、敷地面積には、再生資源物を積み上げている場所だけでなく、建物や事業用駐車場などの施設部分も含まれます。
そのため、スクラップの保管場所だけを測定して100㎡以下であっても、事業場全体では100㎡を超える場合があります。
届出の要否を検討する際には、敷地の区画だけでなく、実際にどの範囲を一つの事業場として使用しているかを整理する必要があります。
参考:群馬県Q&A No.1-9、条例第7条第1項
3.屋内と屋外の両方で保管している場合、どこまでが対象になる?
条例の許可・届出の対象となるのは、屋外保管の部分です。
ただし、群馬県のQ&A(No.1-31)では、保管面積等の算定に屋内部分も含まれる場合があると説明されています。
また、No.1-23・No.1-24では、屋外保管の考え方についても示されています。
県の説明によると、屋内保管とは、屋根があり、四方が壁や扉などで囲まれ、保管物が飛散・流出しないよう密閉されている建造物内での保管を指します。
一方、屋外に置いたコンテナに再生資源物を保管する場合は、原則として屋外保管に該当します。
ただし、コンテナを地面に固定して建築物と同様に使用している場合には、屋内保管とみなされることもあるため、県への確認が必要です。
倉庫と屋外ヤードを併用している事業者は、保管場所の区分と面積の算定を分けて確認することが大切です。
参考:群馬県Q&A No.1-23・No.1-24・No.1-31
4.中古品や解体した部品も、再生資源物に該当する?
ここは、取扱品目の名称だけでは判断できない部分です。
群馬県条例では、対象となる再生資源物について、使用を終了し、収集された金属やプラスチック、それらを含む混合物などと定めています。
県のQ&Aでは、実際の取扱いに応じて、次のような考え方が示されています。
中古機械を部品として販売する場合
No.1-2では、古物商の許可を受けて中古の農機具や工場機械を買い取り、分解した部品を修理用として販売するケースについて、製品として使用を終了していないため、再生資源物に該当しないとされています。
自社の製造工程で発生した端材を保管する場合
No.1-27では、製造業者が自社の製造工程で発生した金属やプラスチックの端材を、その発生場所で保管する場合は、条例上の「収集された物」に該当せず、対象外とされています。
他人から引き取った製品を解体する場合
一方、No.1-28では、他人から収集した製品を解体する場合、その製品は引き取った時点で使用を終了していると考えられ、再生資源物に該当すると説明されています。
そのため、解体を行う事業場で保管している場合でも、条例の許可が必要となる可能性があります。
また、No.1-30では、事業者が「リユース品」と申告するだけで対象外になるわけではなく、保管状況や引渡し先での利用実態などを確認し、個別に判断するとされています。
つまり、同じ金属製品でも、どこから収集したものか、使用を終了しているか、どのような目的で保管しているかによって、取扱いが異なります。
スクラップとしての売却と、製品・部品としての再使用が混在している場合などは、実際の事業内容を整理したうえで確認する必要があります。
参考:群馬県Q&A No.1-2・No.1-27・No.1-28・No.1-30、条例第2条第1号
5.有害使用済機器や特定金属くず買受業の届出をしていれば、今回の届出は不要?
すでに別の制度に基づく届出をしていても、群馬県ヤード条例の届出が不要になるとは限りません。
群馬県のQ&A(No.1-58)では、鉄・非鉄スクラップ買取業者が、有害使用済機器の届出と特定金属くず買受業の届出を済ませている場合について回答しています。
県の説明では、有害使用済機器として届出済みの物だけを屋外保管している場合は、再生資源物屋外保管業の届出・許可の対象外となります。
しかし、同じ事業場で、有害使用済機器とは別に鉄くず、非鉄金属くず、雑品スクラップ、プラスチック混合物などを屋外保管している場合は、その部分について届出が必要とされています。
また、特定金属くず買受業の届出を済ませていることは、群馬県ヤード条例の届出に代わるものではありません。
特定金属くず買受業は、一定の金属くずの買受けを対象とする制度です。
一方、群馬県ヤード条例は、再生資源物の屋外保管等による生活環境への影響を防止することを目的としています。
それぞれ規制の目的や対象が異なるため、事業内容によっては両方の制度への対応が必要になります。
特定金属くず買受業の制度については、別記事「【令和8年6月施行】特定金属くず買受業とは?届出義務と特定金属類取扱業との違いを解説」でも紹介しています。
参考:群馬県Q&A No.1-58
6.今後、廃棄物処理法が改正されたら、群馬県ヤード条例の許可はどうなる?
群馬県のQ&A(No.1-14・No.1-15)では、今後の国による規制と県条例の関係についても回答しています。
県によると、国の改正法に基づく規制の対象となる場合は、県条例の許可を受けていても、改正法に基づく新たな許可申請が必要になる可能性があります。
一方で、国の具体的な規制基準などが示されていない段階では、県条例の対象事業者が国の規制対象にもなるかどうかは確定していないと説明されています。
また、国の規制開始後に県条例をどのように取り扱うかについても、県は今後の政省令等を確認したうえで検討するとしています。
そのため、現時点では、群馬県ヤード条例の届出を済ませれば、今後の国の規制にも対応できると考えることはできません。
今後は、改正廃棄物処理法の具体的な規制内容や施行時期、県条例との関係についても、引き続き確認していく必要があります。
参考:群馬県Q&A No.1-14・No.1-15
まとめ|許可・届出の対象は実際の事業内容によって判断される
今回紹介したQ&Aからも分かるように、群馬県ヤード条例の対象になるかどうかは、単にスクラップを扱っているか、他の許可や届出を持っているかだけで決まるものではありません。
取扱品目、収集や保管の方法、敷地の利用状況、既存の許可内容などを確認する必要があります。
特に、産業廃棄物と有価物の両方を扱っている事業者や、複数の事業を同じ敷地内で行っている事業者は、判断に迷う場面もあると思います。
群馬県の既存事業者に対するみなし許可の届出期限は、令和9年3月31日です。
自社が対象になる可能性がある場合は、早めに事業内容を整理し、必要な手続きを確認しておきましょう。
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参考資料
※本記事は令和8年10月17日時点の群馬県公表資料をもとに作成しています。個別の事業内容によって判断が異なる場合があります。
