スクラップヤード事業者は何の規制対象?特定金属くず買受業・屋外保管条例・改正廃棄物処理法を整理【埼玉・群馬】

近年、法律や条例の制定・改正をきっかけに、スクラップヤード事業者様からのお問い合わせが増えています。

特に現在は、

  • 特定金属くず買受業
  • 埼玉県の特定再生資源屋外保管業
  • 群馬県の再生資源物屋外保管業
  • 改正廃棄物処理法による新たなスクラップヤード規制

など、複数の制度が同時に動いています。

「屋外保管条例の許可を持っていれば、特定金属くず買受業の届出はいらない?」

「群馬県条例の届出をすれば、今後の廃棄物処理法にも対応できる?」

と混乱されている方も少なくありません。

これらは、それぞれ規制の目的や対象が異なる制度です。

この記事では、特に埼玉県・群馬県でスクラップヤードを営む事業者様に向けて、現在確認しておきたい規制の全体像を整理します。


このページで確認できること

  • 自社に関係する規制
  • 特定金属くず買受業と屋外保管条例の違い
  • 埼玉県・さいたま市・越谷市の屋外保管規制
  • 令和8年10月から始まる群馬県条例の取扱い
  • 改正廃棄物処理法によって今後何が変わるのか
  • 現在の条例による許可・届出と、新しい国の制度との関係

制度の新設や改正があった場合は、内容を確認のうえ随時更新していきます。


まず確認 スクラップヤード事業者に関係する主な規制

現在、スクラップヤード事業者に関係する制度は一つではありません。

まずは、それぞれが「何を規制している制度なのか」を分けて考えると分かりやすくなります。

制度主に規制しているもの対象地域現在の状況
特定金属くず買受業特定金属くずの買受け全国令和8年6月1日施行
埼玉県特定再生資源屋外保管条例特定再生資源の屋外保管埼玉県(さいたま市・越谷市を除く)施行済み
さいたま市再生資源物の屋外保管に関する条例再生資源物の屋外保管さいたま市施行済み
越谷市再生資源物の屋外保管に関する条例再生資源物の屋外保管越谷市施行済み
群馬県再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例再生資源物の屋外保管等群馬県令和8年10月1日施行
改正廃棄物処理法使用済金属・プラスチック物品の保管・再生全国法律公布済み・詳細制度を検討中

大切なのは「どれか一つ」ではないということ

ここが一番混乱しやすいポイントです。

これらは、どれか一つの許可や届出をしていれば、ほかの制度への対応がすべて不要になるという関係ではありません。

例えば、埼玉県内のスクラップヤードで、条例の対象となる特定再生資源を屋外で保管しながら、特定金属くずの買受けも行っている場合、

屋外保管に対する規制特定金属くずの買受けに対する規制

を、それぞれ確認する必要があります。

さらに今後は、改正廃棄物処理法による全国的なスクラップヤード規制についても確認していく必要があります。

「スクラップヤードだからこの許可だけ」と考えるのではなく、所在地・取扱品目・買受けの有無・保管方法・再生行為などから、自社に関係する制度を整理することが重要です。


特定金属くずを買い受けている場合 特定金属くず買受業

令和8年6月1日から、金属盗対策法に基づく「特定金属くず買受業」に関する制度が施行されています。

この制度は、主として銅で構成される一定の特定金属くずの買受けを営業として行う事業者を対象とするものです。

重要なのは、屋外で保管しているかどうかではなく、対象となる特定金属くずを「買い受けているか」という点です。

そのため、埼玉県の特定再生資源屋外保管業の許可を受けている事業者や、今後群馬県条例の「みなし許可」の対象となる事業者であっても、特定金属くずを買い受けている場合には、別途、特定金属くず買受業に関する制度を確認する必要があります。

令和8年6月1日時点ですでに特定金属くず買受業を営んでいた事業者については、経過措置として令和8年8月31日までに営業開始の届出を行う必要があります。

すでに営業している事業者様で、まだ届出を行っていない場合は、期限に注意してください。

※特定金属くず買受業の対象となる品目、届出方法、営業所が複数ある場合の取扱いなどについては、別の記事で詳しく解説しています。


埼玉県でスクラップヤードを運営している場合

埼玉県では、「埼玉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例」により、特定再生資源の屋外保管業が規制されています。

令和7年1月1日以降、条例の対象となる屋外保管業を新たに行う場合は、原則として埼玉県知事の許可が必要です。

条例施行時にすでに屋外保管業を行っていた事業者については、令和7年6月30日までに届出を行うことで許可を受けたものとみなす経過措置が設けられていました。

この既存事業者向けの届出期間は、すでに終了しています。

そのため、これから埼玉県内で新たに対象となるスクラップヤードを開設しようとする場合には、既存事業者の届出ではなく、原則として新規の許可手続を検討することになります。

「埼玉県内=すべて埼玉県条例」ではありません

ここは特に注意が必要です。

埼玉県の公式案内でも、さいたま市内と越谷市内については、それぞれの市の条例によることが明記されています。

つまり、事業場の所在地によって確認する制度が変わります。

事業場の所在地主に確認する屋外保管条例
埼玉県内(さいたま市・越谷市を除く)埼玉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例
さいたま市さいたま市再生資源物の屋外保管に関する条例
越谷市越谷市再生資源物の屋外保管に関する条例

さいたま市では令和6年2月1日から、越谷市では令和6年7月1日から、それぞれ独自の屋外保管条例が施行されています。

そのため、埼玉県内でスクラップヤードの新設や移転を検討するときは、最初に「事業場の所在地では、どの条例が適用されるのか」を確認する必要があります。

また、それぞれの条例で許可対象や除外規定、事前協議、立地・構造・保管基準などが異なります。

「県内の別の場所で許可を取ったことがあるから、同じ基準だろう」と判断しないことが大切です。


群馬県のスクラップヤード事業者は令和8年10月から要注意

群馬県では、「群馬県再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例」が令和8年10月1日から施行されます。

条例では、再生資源物屋外保管業を許可制とし、許可は5年ごとの更新制とされています。

一方、条例施行前からすでに事業を行っている事業者には経過措置があります。

令和8年9月30日以前から営業している事業者

令和8年9月30日以前から再生資源物屋外保管業を行っており、条例施行後も引き続き群馬県内で事業を行う場合は、

令和8年10月1日から令和9年3月31日までに群馬県へ届出を行う必要があります。

この届出を行うことで、条例施行日に許可を受けたものとみなされる「みなし許可」の制度が設けられています。

つまり、群馬県で現在スクラップヤードを運営している事業者様にとって、令和8年10月1日は非常に重要な日になります。

「来年3月までだから、まだ大丈夫」と考えるのではなく、対象になる可能性がある場合は、今のうちから自社の事業場の状況や必要書類を確認しておくことをおすすめします。

特に、

  • 自社が条例の対象になるのか
  • 既存事業者として「みなし許可」の対象になるのか
  • 現在の保管方法が条例の基準に適合しているのか
  • どのような図面・資料を準備する必要があるのか

といった点は、届出期間が始まる前に整理しておくと安心です。


改正廃棄物処理法で全国的なスクラップヤード規制へ

さらに、スクラップヤード事業者にとって大きな制度変更が控えています。

令和8年6月19日、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律」が公布されました。

今回の改正では、使用を終了し、収集された物品で、その全部または一部が金属またはプラスチックからなる「使用済金属・プラスチック物品」の保管等を行う事業者について、新たな許可制度が導入されることとなっています。

これまで、いわゆるスクラップヤードについては、埼玉県や各市など自治体独自の条例による規制が先行してきました。

今回の法改正により、今後は全国共通の法律による規制も加わることになります。

ただし、具体的な基準はまだ検討中です

令和8年8月現在、具体的な制度のすべてが確定しているわけではありません。

環境省は、改正法の施行までに、スクラップヤード事業者が遵守すべき保管基準等を定めるとともに、自治体・事業者向けのガイドライン等を整備する必要があるとしています。

令和8年7月27日には、具体的な制度設計を検討する「スクラップヤード環境対策技術検討会」の第1回会合も開催されています。

今後、

  • 許可の対象となる事業・物品の具体的な範囲
  • 保管や再生に関する基準
  • 許可申請の具体的な方法
  • 既存事業者に対する経過措置
  • 自治体条例との関係

などが、さらに具体化されていくことになります。


今持っている県・市の許可はどうなる?

埼玉県条例など、すでに自治体条例に基づく許可や届出を行っている事業者にとって、特に気になるのがこの点だと思います。

結論からいうと、令和8年8月現在、今後の取扱いを一律に断定できる段階ではありません。

国の法律による許可制度が導入されるからといって、現在の自治体条例が直ちになくなるとは限りません。

反対に、

「埼玉県条例の許可を持っているから、改正廃棄物処理法の手続は必要ない」

「群馬県条例のみなし許可を受ければ、将来の国の許可も不要になる」

と判断することも、現時点ではできません。

今後の政令・省令、環境省の通知やガイドライン、各自治体の条例改正・運用方針などを確認する必要があります。

今は「現在必要な手続をしない」という判断をしないこと

今後、国の制度が始まる予定だからといって、現在適用されている条例の手続を行わなくてよいわけではありません。

例えば群馬県では、令和8年10月1日から条例が施行され、既存事業者の届出期間も始まります。

将来の改正廃棄物処理法の制度がまだ確定していないことを理由に、現在必要となる県条例への対応を見送るのは適切ではありません。

現時点では、

現在適用されている法律・条例に確実に対応すること

そして、

改正廃棄物処理法の今後の制度設計を継続して確認すること

この2つを分けて考えることが重要です。


これからヤードを新設・拡張する場合はさらに注意

これからスクラップヤードを新たに開設する場合や、既存事業場の拡張、施設配置や取扱内容の変更などを予定している場合は、さらに慎重な確認が必要です。

現在適用される埼玉県・さいたま市・越谷市などの条例に適合することはもちろんですが、今後、改正廃棄物処理法の施行により新たな基準への対応が必要になる可能性があります。

一方、まだ具体的な基準が確定していない段階で、将来の基準を推測して設備を変更することにも注意が必要です。

特に新規開設の場合は、土地を取得、事業場の工事をしてから「条例の許可基準には適合していたけど法律の基準に合わなかった」となると影響が大きくなります。

事業場の所在地、土地利用規制、周辺環境、施設配置、取り扱う品目などを整理し、計画の早い段階から現在の条例と今後の国の制度の両方を意識しておくことが大切です。


まとめ|まずは「自社に何が関係するのか」を整理しましょう

スクラップヤード事業者に関係する規制は、ここ数年で大きく変わっています。

現在だけでも、

  • 特定金属くずを買い受ける場合の「特定金属くず買受業」
  • 埼玉県・さいたま市・越谷市などの屋外保管条例
  • 令和8年10月1日に施行される群馬県条例
  • 今後施行される改正廃棄物処理法による全国的な許可制度

をそれぞれ確認する必要があります。

まずは自社の事業内容を整理し、現在必要な手続と、今後確認していく制度を分けて考えることから始めましょう。


埼玉県・群馬県のスクラップヤード事業者様へ

ほりぐち行政書士事務所では、埼玉県特定再生資源屋外保管条例の施行当初から、スクラップヤード事業者様の届出や相談対応に携わってきました。

現在は、特定金属くず買受業の届出に加え、令和8年10月1日に施行される群馬県再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例についてもご相談を承っています。

特に群馬県で現在スクラップヤードを運営している事業者様は、令和8年10月1日から「みなし許可」の届出期間が始まります。

「今の事業場の状態で大丈夫なのか確認したい」

「何から準備すればよいか分からない」

「現地調査などの対応が心配」

という段階でもご相談いただけます。

また、埼玉県でこれからスクラップヤードの新設・移転・拡張を検討されている事業者様についても、事業計画の段階からご相談ください。


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当サイトでは、スクラップヤード事業者様に正確な情報をお届けするため、法律・政令・省令・条例・規則等の法令のほか、環境省、警察庁、都道府県、市町村、警察など行政機関が公表する公式資料を確認したうえで記事を作成しています。

制度改正や政令・省令、ガイドライン、自治体の運用方針等が公表された場合には、内容を確認のうえ随時更新します。

※本記事は令和8年8月9日時点で公表されている情報をもとに作成しています。実際の手続にあたっては、最新の法令・条例及び行政機関の公表資料をご確認ください。

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